アクネ菌を殺菌すればニキビが治るなんて嘘!本当の治し方とは
ニキビの発生に「アクネ菌」が関わっているということはよく知られている事実です。
アクネ菌をやっつけてニキビを撃退しようだとか、肌を殺菌して悪い菌をやっつけようだとか、殺菌成分の入った洗顔料の謳い文句として宣伝されていますが、本当に「殺菌」でニキビが治るのでしょうか?
それでは、詳しくご説明させていただきますね。
目次
アクネ菌ってそもそも何?
アクネ菌とは、ニキビの原因になる菌ということで、悪者のようにイメージされがちですが、実は皮膚の常在菌です。
常在菌とは、皮膚のバランスを保つために常に皮膚に存在している菌のことです。腸でいうところの腸内細菌みたいなものですね。ですから、本来はアクネ菌は、肌にとってなくてはならない菌なのです。
アクネ菌が悪い働きをするのは、数が増えすぎたときだけです。酸素を嫌う菌なので、毛穴の中などに住んでいるのですが、この毛穴に皮脂が詰まったり、古い角質が詰まったりすると、これらをエサとしてアクネ菌が異常繁殖します。
そうすると、毛穴の内部で炎症を起こし、ニキビとなってしまうのです。
アクネ菌を殺菌するとどうなるの?
アクネ菌は先ほど述べた通り、異常繁殖すると悪いはたらきをします。ですから、その増えすぎた菌を殺菌することで炎症が収まることは事実です。
殺菌成分としては、以下のものなどが該当しますので、これらを含んだケアを行えば、ニキビの元となっている増えすぎたアクネ菌を殺すことは可能です。
- イソプロピルメチルフェノール
- イオウ
- サリチル酸
- ピオニン
ですが、これらを使用してニキビをやっつけようとするには、いくつか問題があります。それは、以下の3つです。
- アクネ菌を殺菌できたとしても、対処療法でしかない
- 他の菌も一気に殺菌されてしまう
- 刺激が強すぎる
1、アクネ菌を殺菌できたとしても、対処療法でしかない
アクネ菌を殺菌作用のある成分で抑えることで、炎症を鎮める効果は期待できますが、結局は対処療法でしかありません。
ニキビの炎症を抑えて赤みを緩和することはできますが、そうしたとしても、次のニキビの発生を予防することはできませんよね。
要するに、アクネ菌を殺菌するという行為自体が、ニキビの根本的な解決にはならないのです。
2、他の菌も一気に殺菌されてしまう
ニキビの炎症が起こっているのはアクネ菌が異常繁殖したせいなのですが、このアクネ菌だけを殺菌するというような薬はありませんし、増えすぎた分だけを殺菌するという薬もありません。
ですから、肌にとって良い働きをしてくれていた菌までも、同じ「菌」というくくりで殺菌されてしまうため、肌のバランスが崩れて余計にニキビなどの肌荒れが起こる危険性もあるのですね。
3、刺激が強すぎる
大人ニキビの場合は、ストレスや生活習慣の乱れ、生理など様々なことが原因でニキビが発生します。
ですから、そのようなからだの免疫力が落ちている状態で、殺菌成分を含む商品を顔に塗ったり、薬を飲んだりしてしまうと、肌質が変わってしまったりしてニキビが一向に治らないということにもなりかねません。
以上の理由から、「殺菌」はニキビを治すのには私はお勧めできません。
肌に消毒用のマキロンを塗ったり、エタノールをつけたりするのなんてもっての外です。アクネ菌を抑えなければならない程の炎症が発生しているならば、皮膚科などで抗生物質を処方してもらうのが正しい方法です。
ただ、抗生物質も飲み過ぎると良くないですから、注意してくださいね。
(関連記事:殺菌するとニキビが治る?本当は怖い抗生物質の秘密)
ニキビを治すために本当に大切なこととは?
ニキビを根本的に治すには、肌の質を改善してく必要があります。しっかりと肌のバランスを整えて、ニキビができないような肌にしていかなければ、結局はできたニキビを鎮めての繰り返しになってしまいます。
そうやって延々ともぐらたたきのようにできたニキビを治すのではなく、元からニキビができないような肌に改善していくことが大切ですよね。
そのために必要なのは、正しい洗顔と保湿です。
これを徹底して行うことで、肌の質は確実に変わってきますので、焦らずコツコツと続けていきましょう。
ニキビマスターつるのまとめ
今回の話をまとめますと、次のようになります。
- アクネ菌は異常繁殖しなければ肌にとって必要不可欠な菌
- 異常繁殖するとニキビの炎症の原因となる
- じゃあこの菌を殺菌すればニキビが治ると思われがちですが・・・
- アクネ菌を殺菌しても対処療法にしかならない
- 他の良い菌も一緒に殺菌されてしまう
- 刺激が強すぎて肌のバランスが崩れてしまうこともある
- ニキビケアに殺菌はお勧めできない
- やはりしっかりとした洗顔と保湿が大切
ですから、殺菌によってニキビを治そうとするのは、結局は本当の解決ではないのですね。一時的に炎症は良くなるかもしれませんが、ニキビ用でないマキロンやエタノールを顔につけるのだけは絶対にやめてくださいね。特にエタノールを顔に使用するには大変危険です。
炎症を抑えたいのならば、きちんとその用途のものを使用してください。そもそも炎症を抑えなければいけないようならば、抗生物質を処方してもらった方が確実に良くなります。
間違った方法で殺菌しないように注意してくださいね。
ニキビができないような肌にしていくために必要なのは、正しい洗顔と保湿以外にありません。
裏ワザ的なものはないのです。これだけニキビがずっとたくさんの人の悩みとなっている中で、本当に効果のある裏ワザがあれば、それが主流になっているはずですからね。
ですが、いろんな方法が出てきては消え、出てきては消えを繰り返している今、本当に大切なことは、王道の、しっかりと正しく洗顔をし、正しく保湿をすることなのです。
正しく洗顔をすることでニキビの発生は防げますので、興味のある方はこちらの洗顔方法についてのまとめを読んでみてくださいね。